2010年10月17日日曜日

燭台の灯りで屏風絵を見る怪しいトークショー in 浅草

16日土曜日、浅草アミューズミュージアムにて。
第2回「新・暦作成委員会」のトークイベントを拝見しました。


こちらのお三方が江戸の文化、風物詩などについて語る
自由で活気あるトークショーです。
http://openers.jp/interior_exterior/kakitsubata/kakitsubata.html


何が面白いって、
扇師 荒井修さんと江戸文字師 橘右之吉さん、このお二人の

まるで江戸から生きてたかのような、
歴史上の有名な人物とも友達かのような語り口。

どんどん話は脱線してゆき、毎回テーマについては
ほとんど触れられず、、、という自由さも魅力。


今回は風神雷神図をデジタル復元した屏風絵の前で
ユニークな解釈&動きのあるアクティブな討論。


1)俵屋宗達 作


2)尾形光琳 作     ※画像は当日の屏風ではありません。



1)の宗達は扇子職人で、そのため扇子師がよく使う技法が
顕著にでているそう。

ちょうど雷神様のわっかのとこ、わざと見切れさせています。
わざと全部を描かないことで、ダイナミックな表現になるそうです。

扇子に満月を描くとき、全部納めるとこじんまりしてしまい、
描けさせると大きく、迫力が出るという扇子師ならではの技法。



2)光琳のほうは長い反物を扱う呉服屋なので
上下を見きれさせる習慣がない。

そのために構図が全て納まっており、若干動きのない印象。


という風に、商売柄の違いがよく出ているという
面白い解釈でなるほど、と思いました。


さらに江戸当時の見え方を再現するべく燭台の灯りだけでしばし観察。

本物はそれぞれ国宝と重要文化財なので
こんなことしたら殺されるとか言いながら蝋燭を近づけたり離したリ。

その具合や屏風の角度によって
風神雷神の目線や表情が変わったり、
絵が浮かび上がってくるような艶かしさがありました。


なんだか江戸時代の粋な遊び人になって
お座敷の屏風を眺めるような贅沢な心持ち。。


この二つ、構図以外にも全くことなる部分がありまして
雲の色が全然違うんですねー。


宗達が描いたとき、この雲は銀を使って描かれていて、
100年後、光琳が模写した時には酸化して黒くなっていたので
そのまま黒い雲として描かれてしまったそう。


光琳は大変な遊び人であり
町娘、武家の娘、老若問わず手当たり次第、さらには
パトロンともホモセクシュアルな関係だったと

まるで友達のことを話すかのように語っておられました。


さらにこの風神雷神図に酒井抱一の「夏秋草図」を
左右逆にして重ね合わせると。。。!!!
というダヴィンチコードのような謎めいた仕掛けも。


年4回、季節ごとに開催される「新・暦作成委員会(仮称)」
江戸文化を愛する大人たちのとても贅沢なトークイベントです。

興味のある方はこちらで登録するとお知らせがもらえます。
http://www.amusemuseum.com/


この後、日本酒がすすみ玄関で寝るほど酔っぱらいましたとさ。




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